こんばんは、イチカラセイジです。
今回は、2020年1月20日発行。飯田浩司氏著、「反権力は正義ですか」についてお伝え出来ればと思っています。
私、この一冊を読んで「こんな考えを持っている人もマスコミにはいるんだな」と率直に感じました。
本書の第3章「安全保障を感情論で語られても」で著者は、以下のように当時のことを記載しています。ザ・ボイスにて、
「この法律が成立したとしても集団的自衛権の発動にはかなり歯止めがかけられているし、現場の自衛官が違法か合法かをその場で判断するという根本は変わらず、結局のところ負担は現場に行ってしまうという現実は変わらないと批判した」
「反権力は正義ですか」安全保障を感情論で語られても 61頁より
ところ、生放送スタジオには批判の電話が多くかかってきたことを紹介しています。
寄せられた抗議の電話は、「安倍政権を擁護している!」「戦争法を推進するのか!」「お前は子どもを戦争にいかせたいのか!徴兵制反対!」などだそうです。
本書は以下の章に分かれて、長年マスコミ人として現場で働いてきた著者の考えが展開されています。
1.基地問題に「分かりやすさ」を求めるな → 特に面白い!!
2.「軍靴の響き」ってもうやめませんか
3.安全保障を感情論で語られても → 特に面白い!!
4.「かわいそうな被災者像」ばかりでいいのですか
5.一体風評を広めているのは誰か → 特に面白い!!
6.データに基づかない経済の議論に意味はあるか
7.経済は人命を左右する
8.「メディアは反権力であれ」への懐疑
9.それでも現場に行く理由
現場を第一に、切り取り無く是々非々の態度で報じることが、あるべきマスコミの姿だと思います。沖縄米軍基地問題では、「賛成か反対か」といった単純なものではないこと、「どちらとも言えない」「賛成ではなく容認なんだ」というリアルな住民感情。
分かりやすさだけを求め、そしてキャッチーな言葉だけを並べて報じるマスコミに苦言を呈しています。
そういった一つひとつの政治に対する「マスコミ的正しさ」について伝えている一冊であるのと同時に、マスコミ人として「このままでは従来型のマスコミは国民から見放させてしまう」という危機感を感じる一冊となっています。
「どんな人が書いているの?」
・飯田浩司
1981年神奈川県出身。横浜国立大学経営学部卒業後、ニッポン放送に入社。「ザ・ボイス そこまで言うか!」アンカーマンを経て、2018年からニュース番組「飯田浩司のOK!Cozy up!」(月〜金曜・午前6時〜)のパーソナリティ。本書が初の著書。
「マスコミ的正しさ」とは?
・反権力であることが「マスコミ的正しさ」であるということ
・現場の複雑な想いよりも「分かりやすさ」を優先する
・自衛隊や在日米軍=「戦争する装置」としての空気を作ったマスコミ。
自衛隊に対し国民の信頼が寄せられている今日においても根本的な部分は同じ。
・マスコミは特別であり、マスコミからすればネットは下。
「イチカラセイジが得られた学びとは?」
「数字が取れるよう最高の工夫と改善を重ねている」
・マスコミも政治というコンテンツを如何に面白く、視聴者が画面に釘付けになる
かを組織として考えに考え抜いて、情報を加工し、発信しています。
・スマホをいじり続けていたら、いつの間にか時間が経過していたと同じように、
マスコミは創意工夫と努力によって数字を叩き出している。
一個人が、何も考えずに画面を眺めていたら時間だけが過ぎていくのは自明の理。
・政治に関して何も考えずに過ごす = マスコミ的に「面白く切り取った」情報だけを受信し続けてしまう。= 自分の頭で考えられない人間になってしまう。
「マスコミの情報を疑う習慣をつける」
・時間的余裕があるのであれば、可能な限り一次情報に触れるようにする事が重要。
・時間がない場合でも、マスコミは関心のある情報を得る”道具”として使い、
得た情報については必ずインターネット等を活用し、多角的な視点を持つことが
大切です。
・幸いなことに現代を生きる私達にはそれが「秒」で出来ます。
・マスコミだけでなく、情報は必ず伝える側の価値観が投影されているものです。
つまり、マスコミ情報を疑う習慣をつけることが重要だという結論に至りました。
言葉でこのことを理解してはいても、時間もないし、コンテンツが面白いし魅力的に写ってしまう、だから難しいよ。
と思ってしまう気持ちは分かります。
であれば、言葉上だけでもマスコミが発信する情報は「マスコミ的正しさ」というバイアスがかかっている情報なんだと理解した上で、視聴して頂ければそれだけでも違ってくるかと思います。
「我が家で実践している子育てとメディア」
マスコミの捉え方、情報の得方など、子育て中の保護者にとっても非常に重要なテーマだと思います。
現在2歳児を育てている我が家では、以下のことを家庭内ルールとして取り組んでいます。中には、将来子ども自身で情報を取捨選択出来るようになってからの話もありますが、その前に「伴侶に対して」子育ての考え方を共有し、納得してもらうことが大切だと思っています。
1.テレビは目的なく付けない。
毎朝新聞のテレビ欄から見たい番組に記しを付け、その番組の視聴予約をします。それ以外の番組には手を出さないように努めます。
2.夫婦で新聞を読む。
興味がある情報は夫婦によって異なりますし、読む時間も異なります。各々気になった内容とそれについてのちょっとした感想的なものを夕食の時や団らん時の話題にしたりしています。
日常的に行っているのは、この程度ですが、はじめは若干面倒くさそうだった妻もいまではその理解も深まってきている印象があり、日々協力的になってきてくれています。
子どもにも影響が出ていて、明らかに「食事に集中」「遊びに集中」「遊びも一つのおもちゃを多角的に遊ぶ」ことが増えてきています。また、言葉も増えました。
今回も最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
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