どうもこんにちは。イチカラセイジです。
今回は瀧本哲史氏著、「僕は君たちに武器を配りたい」について、皆様にその魅力をお伝えしていきたいと思います。
一児の父として、子どもの将来を考えてという部分は勿論、私自身もまだまだ若い30歳ちょいの年齢。これからの社会を生きていく上で大切な視点を本著で学ばせて頂きました。特にこの本自体は民主党政権時代、2011年に書かれている内容だというところも本書の存在感を一層強めていると感じています。
経済は生き物です。
浮き沈みは必ずあるわけですが、世界の潮流に敏感になり、時代を先取りし続けない限り我が国は停滞してしまいます。
これからを生きる人間にこそ、高校生くらいにこの本を読んで貰いたいと感じました。生き方の参考になること間違いなしの一冊です。
「どんな人が書いているのか」
著者 瀧本哲史
発行 2011年9月21日
プロフィール 京都大学産官学連携本部イノベーション・マネジメント・サイエンス研究部門客員准教授。エンジェル投資家。東京大学法学部卒業。東京大学大学院法学政治学研研究科助手を経て、マッキンゼー&カンパニーにて、主にエレクトロニクス業界のコンサルティングに従事。独立後は、企業再生や投資家としての活動をしながら、京都大学で教育、研究、産官学連携活動を行っている。全日本ディベート連盟代表理事等。
「何を言いたい書籍なのか」
「資本主義の本質」「投資家的目線」の2軸を中心に産官学それぞれの分野で活動してきた著者ならではの視点で、これからの社会を生き抜く為に重要なことが書かれています。これから社会に旅立つ、あるいは旅立ったばかりの若者が、非常で残酷な日本社会を生き抜くための、「ゲリラ戦」のすすめです。
「どんな人にオススメか」
主に高校生〜大学生、20代〜30代後半までのサラリーマンや社会人に向けて書かれている印象を持ちました。学生にとっては、企業選びから、キャリア形成やスペシャリティが持てない職種の価値、サラリーマンとしての目的意識などが書かれ、投機ではなく、投資の重要性。社会的教養とも言えるリベラルアーツが、如何に現代を生きる社会人にとって重要であるということが書かれています。
「イチカラセイジが得られたものは何か」
・全産業でコモディティ化(日常品化)はどんどん進むということ。つまり、この点だけは人と比べて秀でていると呼べる分野を作ることが重要。
・ある会社や人間が厳しい状況にあるときだからこそ、投資を検討する最大の機会であるということ。
・人生の時間を割いてお金に変えるだけのサラリーマン的な労働では、生産性の高い状態とは言えない。時間の切り売りではなく、市場に価値を提供するということ。
・「奴隷の勉強」ではなく、社会的な教養とも呼べる「リベラルアーツ」の重要性。
「配られる武器とは何か」
本著の中でも、特に私自身が重要だと思った部分について引用を用いてお伝えしていきたいと思います。
本書では、各章毎にまとめが記載されていますので、非常に読みやすい内容となっています。以下に記載のある内容は、本著の中の一部です。他にも示唆にある情報が展開されています。
また、どうしてこういった結論になるのだろう?と思うところも出てくるかと思います。是非とも購入し、理解を深めて頂ければと思います。
第一章「勉強できてもコモディティ」
僕は君に武器を配りたい 頁11より
・インターネットによって、知識獲得コスト、教育コストが激減し、世界的な競争にさらされるなど、急激な社会変化に注視せよ!
・全産業で「コモディティ化」が進んでいる。賃金を下げないためにはコモディティになるな!
第二章「本物の資本主義」が日本にやってきた
僕は君に武器を配りたい 頁56より
・日本にやってきている「本物の資本主義」の姿を見極めよ!
・一部の「頭のいい人」ではなく、「より安くよりいい商品」を作る人間が、社会を進歩させるシステムが資本主義。
・「ものづくり」にはこだわるな!国に頼るな!
第三章「学校では教えてくれない資本主義の現在」
僕は君に武器を配りたい 頁92,93,101,105より
・現役学生が起業するのは「高学歴ワーキングプア」への道。コモディティ企業を作るな!
・金融業界など高給で知られる会社ほど、変化が激しく、短命な商品の寿命がそのままビジネスの寿命になる。
・日本の国内市場は先細り間違いなし。海外で働くことも考えよ!
・大量のコマーシャルを打っている会社、「今流行っている」商品・サービスを売る会社には気をつけよ!
・生産性の低い40代、50代社員が幸せそうにしている会社には入るな!
まとめ
最後にあえて、本著の冒頭で書かれている一文を引用させて頂きます。
2011年以来、日本の経済は冷え切っており、そこから回復する兆しはどこにも見えない。
僕は君に武器を配りたい 頁1より
求人の状況も最悪だ。リーマンショック以降、日本の大手企業は求人の数を大幅にしぼり、有効求人倍率は0.5倍前後を推移している。これは職を求める人に対して、半分ほどしか仕事の口がないことを意味する。
読者の方が、このブログをご覧になられるタイミングはいつかわかりませんが、新型コロナウイルス感染症の猛威は、日本のみならず、世界中の経済活動に大きな支障を与えています。2020年4月末時点では、特効薬も見つかっていない状況です。
すでにリーマンショック級、若しくはそれ以上の経済影響を与えているのが新型コロナウイルス感染症です。人々の生命が何よりも優先させるべきですが、ウイルス以上に人を殺すのは経済とも言われています。
経済の分野では、Withコロナ、アフターコロナといったワードが飛び交っています。
本著は2011年、民主党政権下。約10年前の本ですが、この先の日本を考えたとき、本著で述べているようなことというのは間違いなく現在にも活きる内容です。
それでは今回の書評はこの辺りで閉じさせて頂きます。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
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